基本編③ 値動きのメカニズムを知る 後編
前回、「安く買って高く売る」「高く売って安く買う」という本質的な相場心理を説明しました。
これ自体は非常に重要なことではあるのですが、それをトレードに活かすとなるとそう単純ではありません。
その理由は、「安いと思う価格」「高いと思う価格」はトレードしている人によって違うからなんです。
もう少し具体的に言うと、各トレーダーが見ている時間足によって違います。
見ている時間足が違うということは、チャートを描く波の規模が違う、ということです。
下の図を、1時間足のチャート、上昇中の波だとします。
ここに5分足チャートの波を重ねると例えばこんな感じです。
さらに、日足チャートの波を重ねてみます。
と、こんな感じで大きな波の中には小さな波が同じように存在しているんです。
そして、どんな波も、より大きな波の一部である、ということなんです。
この事実がFXを難しくしている最大の原因です。
大きさの違う波が重なり合っていて、それぞれの波を見ている別々のトレーダーが存在しているんですね。
5分足を見ているトレーダーにとっては買えそうなチャートでも、
4時間足を見ているトレーダーにとっては売りたいところだったりするんです。
そして、小さな波は大きな波の影響で向きを変えられてしまいます。
だからこそ、「安い価格」「高い価格」の認識に違いが生まれ、
注文の仕方にバラつきができ、チャートの動きはより複雑になっていきます。
この絡み合った大小の波の中で勝ち残るためには、複数の波を同時に見極めるほかありません。
少なくとも、自分がトレードしようとしている波(時間足)に加えて、
1つ大きな波と1つ小さな波、全部で3つの波は分析、把握しておくべきです。
安心してください。そのやり方はこれから一歩ずつ学んでいきましょう。
要点を押さえて、地道に訓練すれば絶対にできるようになります。