環境認識編③ 水平ライン補助ツール
環境認識編①②では、色々な水平ラインを引いてみました。
今回は、「水平ライン」とは違う方法で、
押し目の位置、戻り目の位置を探るためのツールをご紹介します。
水平ラインと併用することでより効果を発揮します。
フィボナッチリトレースメント
大抵のチャートソフトには
「フィボナッチリトレースメント」
というツールが備わっています。
フィボナッチリトレースメントは
「推進波に対する調整波の割合」を計るためのツールです。
トレンドが出ている波の
進行方向の波を推進波、
逆方向の波を調整波と言います。
上の図では、波の赤い部分が推進波で
黒い波は調整波です。
推進波に対する調整波の割合とは、
要は波が「どれぐらい戻ったか」ということになります。
実際にツールを使うとこんな風になります
細い斜めラインと水平ラインで構成されおり、
右端に数字(単位は%)が書いてあるのが
フィボナッチリトレースメントです。
推進波に対して50%の位置まで戻ってきて
ダブルボトムになって押し目買いされていますよね。
相場では「半値戻し」という言葉があるくらい、
波の半値は意識されます。
50% 以外に、 61.8% や 38.2% なども
押し目買い、戻り売りが意識されやすい数値です。
調整波が下がりきる前にフィボナッチリトレースメントで
押し目買い、戻り売りを待ち構えておくのです。
ちなみにこのチャートの続きですが、
次の波も50%の位置で押し目買いが入りました。
この次はどうでしょうか。
見にくくなるので、推進波と50%ラインだけを表示しています。
綺麗に50%付近で押し目買いされながら
トレンドが続いています。
最後の推進波は50%ラインでの押し目が崩れて
押し安値を下抜きましたが、
それによって発生した下降の推進波(紫)に対しても
50%ライン(オレンジ)ないし61.8%ラインから
戻り売りされているのが分かります。
自然な流れの押し目買い、戻り売りは
50%や61.8%、または38.2%で
波が切り返すことが多いです。
フィボナッチリトレースメントはこのようにして
押し目、戻り目の位置をあらかじめ推し量るためのツールです。
ただし、フィボナッチリトレースメントの数値は
あくまでただの割合を表す数字です。
誰が見ても分かりやすいトレンドであれば
例えば50%という数値だけで押し目買い、戻り売りの
根拠にされることもあるのですが、
基本的には他の水平ラインなどと併用することをおススメします。
この水平ラインは61.8%と重なるから強そうだな
という感じで、水平ラインの意味合いを強化するような
使い方を意識して見てください。
今回はフィボナッチリトレースメントについてお話ししました。
フィボナッチリトレースメントは誰でも簡単に使えますので
推進波が確定したら、とりあえず使って見ることをおススメします。
上位足で環境認識をする時はもちろん、
下位足で押し目買いや戻り売りをする時も使えます。
他にも、例えば4時間足の波の38.2%と
1時間足の波の61.8がピッタリ重なったりすることもあります。
そういう時は信頼性が少し増しますよね。
後は、ローソク足一本に対して
フィボナッチリトレースメントを使うのも有効です。
例えば、前日の日足が大きな陽線で確定したら、
日足の高値と安値を一つの波として
フィボナッチリトレースメントを当ててみます。
そんな風に、フィボナッチリトレースメントは
いろいろ使いどころがあるので、
是非、過去チャートなどでいろんな波を検証してみてくださいね。